サラブレッドの三大始祖

第65回日本ダービー馬スペシャルウィーク。
彼の父はサンデーサイレンス、更にその父はヘイローというように、父系を代々遡っていくとダーレーアラビアンというアラブ馬に辿り着く。 この1700年生まれのアラブ馬から派生したサラブレッドの数は、300年近く経った現在、全体の8割以上を占めると言われている。
ダーレーアラビアンの絵
このダーレーアラビアンから4代を経て誕生したのが、伝説の名馬エクリプス(1764年生まれ)。
現在のダーレーアラビアン系の馬はすべてこのエクリプスを通じて繁栄しているのでエクリプス系とも呼ばれている。
サラブレッドの血の世界を完全征服してしまうかに見えるダーレーアラビアンの血脈だが、これに強靱な抵抗を示しているのが次に紹介するバイアリータークである。



平成5年の有馬記念で奇跡の復活を遂げたトウカイテイオー。4年連続でG1制覇したメジロマックイーン。
この2頭の名馬が共にパーソロンの血を引くことはご存じの通り。更にパーソロンから父系を遡ること22代、バイアリータークバイアリーターク(1680年生まれ)というトルコ馬に辿り着く。
バイアリータークの絵
この系統にはトウルビヨン(1928年生まれ)という中興の祖がおり、そこからジェベル?クラリオン?クレイロンと続く分枝には92年のエプソムダービーを勝ったドクターデヴィアス、93年のブリーダーズCクラシックを勝ったアルカングが出現するなど、世界的な繁栄を見せ始めている。数ではダーレーアラビアン系には及ばないものの、ここ一番の底力はまったく見劣りしないのがバイアリーターク系の特徴。
ドクターデヴィアスの父アホヌーラが人気種牡馬になるなど、近年世界的にも見直されており、少なくとも日本に限れば主流血脈と言えるだけの広がりを見せている。



ダーレーアラビアン、バイアリータークの2系統と比較すると、旗色の悪いゴドルフィンアラビアン(1724年生まれ)だが、日本にとっては馴染みが深い。
ゴドルフィンアラビアンの絵
この系統の代表的な名馬マンノウォー(1917年生まれ。21戦20勝、”ビッグレッド”の名で親しまれたアメリカ史上最高の名馬)の直仔月友が輸入され、カイソウ、ミハルオー、オートキツと3頭のダービー馬が出ている。また、ウォーレリック?レリック?ヴェンチアと続くラインからも、第43代ダービー馬クライムカイザーが出ている。
しかしながら父系として繁栄する力に欠け、現在残っているのはマンノウォーから4代経て誕生したインリアリティ(1964年生まれ)の分岐くらいである。
インリアリティ?ノウンファクト?ウォーニングと続くラインが今後この貴重な血脈をどう伝えていくのか。
サラブレッドが更に速く、強くなるためにはできるだけ多くの血脈は必要となる。
そのためにも、ゴドルフィンアラビアンの血脈を絶やすことはできない。
ウォーニングを供用する日本の生産界の責任は重く、その力量も問われることになる。

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